
中馬街道は国道363号線で分断され、新しい家や建物などで殺風景なもんだが、当時の雰囲気がまだ残っていた。歩くなら今のうちだ。
街道入口の馬頭観音の文字を読むと「右だち たじみ」「左名古やみち」とある。所々に石仏や馬頭観音が置かれていた。曾木といえば温泉もある。
このコースの曲り角には案内板があって迷うことはなかった。大草の入口で偶然酒屋として栄えた浦野家の当主に出合い、いろいろ話を聞かせてもらった。
徐々に傾斜がきつくなって、山道へ入って行くと、サワギキョウが群生している。紫色の花は毒を持っていて恐ろしいが美しい。ヘビノボラズも実をつけていた。
街道の奥に向かって薄暗い道が続いている。ここで引き返した。
帰りがけにかなり大きい五輪塔「君が塔」を見つけた。案内板を見ると曾木温泉の遊女お君の墓だった。むかしは街道沿いに遊女屋をかねた旅籠が何軒かあったのだろう。この辺りを美しい顔だちの遊女お君も歩いたかもしれない。
今日はもう他には行く気もないから、あとは温泉に向かうだけだ。


氏神と馬頭観音

右だち たじみ 左名古やみち

常夜燈

道祖神

サワギキョウ

子持ち地蔵 道祖神 山の神

馬頭観音

君が塔

大草集落の浦野家